やちよ絵手紙の森美術館

2018年9月の絵手紙エッセー『幸福な大笑い』

夕暮れが日増しに早くなってきた
秋の気配もあちこちに感じられ
あれほどの猛暑がまるで嘘のようだ
すっかり疲れきった家庭菜園の様子を
横目で見ながら体がついて行かない
暑い夏の戦いを終えた惨伏は
畑や庭の草木ばかりではない
体も心も何だかいまいち動かないのだ
この無気力さは一体?何なのだ
年齢のせいばかりにしたくはない
頑固なまでに一人首を横に振る
『おおい、サルスベリを買って来たぞ』
『えっ!サルスベリの苗をですか?』
私は不思議な思いで夫の手元を見ると
そこには真っ赤な花のサルビアの花
『お父さん、この苗サルスベリじゃなく
 サルビアの花よ』夫は不思議な顔
『あ~、滑らない花なのか?』
『アハハハハァ~』そのこたえに大笑い
疲れが、いっぺんに吹き飛んでしまった

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