やちよ絵手紙の森美術館

2018年5月の絵手紙エッセー『一歩ずつ』

空はすっかり春を迎えた
手毬のように咲き誇った八重桜も
バス通りの柳の街路樹もみな柔らかな
春色へと衣替えしている
そして、その足元の植え込みには
パンジーやチューリップが彩り豊かに
街行く人々の目を楽しませている
小さな背中に大きなランドセル
黄色の帽子がいかにも可愛らしい
ファイル帳を片手に急ぎ足の大学生かしら
ネクタイの結び目が何となくぎこちない
新入社員かしら?目が輝いている
春色の風はなぜか嬉しい
なぜか心がときめく
その足取りは少し危な気だけど
そっと遠くで見守ってあげたくなる
誰でも始めはそうだった
初めの一歩を踏み出す時は不安で
少し怖くて、それでも前へ前へ
一歩ずつ進んで歩いた
ヨチヨチだけど夢に向かって歩いたね

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