やちよ絵手紙の森美術館

2016年4月の絵手紙エッセー『春のかおり』

ふんわりとした白い雲が
春の空にのんびり横たわっている
ひばりは空高く、高く
気持ちよさそうにさえずり
私は「あ~う~ん」と
あの広い空を全部飲み込みそうな
大きなあくびを一つする
春はやって来た、春になったのだ
あっちからも、こっちからも
にょきにょきと小さな芽は出てきて
畑一面が緑色に変わる
菜の花、空豆、エンドウ豆、カラシナ
それぞれの春を楽しんでいる
そうだ、母さんの一番の自慢は
カラシナの漬物だった
ピリリと辛く、ツンと鼻にきて
春の香りが白い御飯の上で踊っていた
あの何とも言えない春のかおりは
大切な母さんと山深い故郷の思い出
手ぬぐいのほっかむりが良く似合う
母さんの自慢は漬物だった

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