やちよ絵手紙の森美術館

2012年5月の絵手紙エッセー『五月の空』

爽やかな緑色の風が吹く季節
枝先の小さな芽吹きも今では
一人前の葉っぱに成長して
サワサワサワと、風の音を奏でる
川向こうの、この辺りでは少し珍しい
萱葺き屋根の上に
こいのぼりが勇ましく泳いでいる
昔から端午の節句といえば
ちまきに柏餅、こいのぼりに兜
その家の男児誕生の祝いには
欠かせない目印のようなものだった
『当家には男の子が生まれた、
       めでたし、めでたし!!』
と、自慢の象徴が一目で判ったものだ
今の時代から言えば反感をかうような
男尊女卑に風潮がまかり通っていた日本
それが、どうこうと言う訳ではないが
やはり日本男児、逞しく気高く
誇り高い民族の象徴であって欲しい
五月の空を見上げて咲く花菖蒲のような
清らかな勇者であれ

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