やちよ絵手紙の森美術館

2021年3月の絵手紙エッセー『空を見上げて』

鉛色の冷たい北風の空は
春風に吹かれて、どこか遠くの
果てまで飛んで行きました
長くて暗いトンネルの先にやっと
見つけた小さな光は徐々に大きくなり
そこには真っ青な空は広がっています
春です。そこは春の空でした
薄桃色のまるで雲のような一群は
桜の花です。桜が咲きました
今年も見事に咲いてくれました
思い切って大声で笑いたいけれど
まだ駄目?マスクの下から
ちょこっとだけ笑ってみる
もう一年になるのですね
桜の木の下でお弁当を食べる事も
大声で笑ってお喋りする事も
手を繋いで歩く事も出来なくなって
もう、一年も我慢しているのです
マスク無しで桜の木の下を、笑顔で
歩けるようになる日は近いですか
明日はきっといい日になりますか

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